「死亡した所有者」が見える時代へ。4月からの不動産登記実務が変わる
4月1日から、不動産登記の実務がまた一段変わります。
今回の法務省通達で押さえておきたいのは、大きくこの2つです。
① 所有権の登記名義人に「死亡等の符号」が付く運用が始まる
今回の改正で、
所有権の登記名義人(自然人)が死亡していること等を法務局が把握した場合、登記簿上に「符号」を付けることができる
という新しい運用が始まります。
つまり今後は、「この名義人、もう亡くなっている可能性が高いな」ということが、登記実務の中でより明確に扱われていくわけです。
これ、地味に見えてかなり大きいです。
なぜなら、今までは
・相続未了なのか
・単に住所変更未了なのか
・既に死亡しているのか
が、登記簿だけでは見えづらい場面が多かったからです。
今後は、「長年放置されている名義」に対する見え方が変わるので、相続・共有解消・空き家・不動産売却の相談現場で効いてきます。
② 住所・氏名変更登記が「申請しなくても動く」時代へ
もう一つ大きいのが、職権による住所等変更登記です。
簡単に言うと、住基ネット等の情報をもとに、法務局が職権で住所や氏名変更を反映できるという流れです。
ただし、ここで注意したいのは自然人については「本人の申出」が前提という点です。
つまり、
・勝手に全部変わるわけではない
・「検索用情報」の整備が重要になる
・今後の登記申請時に、依頼者への説明が必要になる
ということです。
【実務で士業が気をつけたいポイント】
今回の改正、単なる制度変更ではなく、相談時のヒアリング内容そのものが変わる可能性があります。
たとえば今後は、相談時にこんな確認がより重要になります。
・この不動産の名義人は生存中か
・相続未了のまま放置されていないか
・住所変更・氏名変更が最新か
・検索用情報の申出が済んでいるか
・法人なら会社法人等番号が登記されているか
特に、「昔の名義のまま放置されている不動産」を扱う士業にとっては、かなり影響が大きいです。
【司法書士実務としての本音】
正直に言うと、今回の改正は「放置登記をそのままにしておく時代は終わりますよ」という、法務局からのかなり明確なメッセージです。
相続登記義務化に続いて、住所変更・氏名変更、そして死亡情報の可視化まで進んできました。
ここまで来ると、「あとでまとめてやればいいです」は、ますます通用しにくくなります。
士業としては、むしろチャンス!逆に言えば、この流れは士業にとって追い風です。
なぜなら、依頼者は制度が複雑になるほど「何を今やるべきか分からない」状態になるからです。
だからこそ、今後は単なる申請代行ではなく、
・今やるべき登記の整理
・相続未了リスクの見える化
・生前対策との接続
・空き家・共有不動産問題の予防
まで含めて提案できる士業が強くなります。
【まとめ】
4月1日以降は、「住所変更していないだけ」、「相続していないだけ」では済まない登記実務になっていきます。
士業としては、この制度改正を面倒な変更で終わらせるのではなく、相談導線を増やすきっかけとして使いたいところです。
制度が変わるときほど、説明できる人に仕事が集まります。
気になる方は、法務省通達を一度しっかり見ておくのがおすすめです。
今回の改正は、相続・不動産・法人実務にじわじわ効いてきます。
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