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家族信託が終わった後の財産は誰の手へ?残余財産の帰属先と契約の注意点

結論:家族信託終了後の財産は「契約で指定された人」に引き継がれます

家族信託が終了した際、残った財産(残余財産)は、原則として家族信託の契約書であらかじめ指定しておいた人物に引き継がれます。

もし契約書で財産の行き先を決めていない場合、法律で定められた既定のルールが適用されますが、ご家族の希望に沿わない形での引き継ぎになったり、手続きが複雑化したりする恐れがあります。そのため、家族信託を組む段階で「終了時に誰が財産を受け取るか」を明確に定めておくことが大変重要です。


信託が終了する理由と財産が引き継がれる流れ

家族信託が終了する主な理由(終了事由)

家族信託は、あらかじめ定めた目的が達成された場合や、契約で定めた事由が発生したときに終了します(信託法第163条など)。一般的な生前対策としての家族信託では、「財産を託した親(委託者兼受益者)の死亡」を信託の終了事由とすることが多く見られます。

「帰属権利者」と「残余財産受益者」の違い

信託法では、信託終了時に残った財産を受け取る権利を持つ人として「帰属権利者」や「残余財産受益者」が定められています(信託法第182条・第183条)。

  • 帰属権利者:信託が終了した際、残った信託財産そのものの所有権を取得する人
  • 残余財産受益者:信託終了後、残った財産から生じる給付を受ける権利を持つ人

実際の家族信託実務では、残った不動産や預貯金そのものの名義をスムーズに変更して引き継ぐため、契約書にて「帰属権利者」を指定するのが一般的です。

契約で帰属先を定めなかった場合の法的な扱い

信託契約書で帰属権利者や残余財産受益者を指定していない場合、信託法第182条の規定により、補充的なルールとして「委託者」または「その相続人」が財産を取得するとされています。
ただし、この法定ルールが適用される場合でも、実際の契約内容や個別の事情によって扱いが異なり得るため注意が必要です。スムーズな承継のためには、契約時に指定を漏らさないことが欠かせません。


帰属先を決めるときに確認したい5つのポイント

1. 帰属先に指定した人が先に亡くなった場合の備え

財産を受け取る予定の人物(例:長男)が、委託者よりも先に亡くなってしまうケースも考えられます。その場合に備えて、「長男が死亡しているときは次男を帰属権利者とする」といった予備的な指定(第二順位の帰属権利者)を契約書に入れておくことが推奨されます。

2. 複数人に引き継ぐ場合の割合

残余財産を複数の子供で分ける場合は、「長男2分の1、次男2分の1」というように明確な取得割合を記載します。

3. 信託財産に含まれていない財産の扱い

家族信託の対象にしていない預貯金や自宅以外の不動産(信託外財産)は、信託契約で引き継ぎ先を指定することができません。信託外財産の承継については、別途「遺言書」を作成して受け取り手を指定しておく必要があります。

4. 終了後の清算と名義変更手続き

信託が終了すると、それまで財産を管理していた人(受託者)は「清算受託者」となり、残った給付の支払いや信託登記の抹消、帰属権利者への所有権移転登記などの清算手続きを行います。

5. 税金面の配慮(専門家への確認)

信託終了時に財産を受け取る際、相続税や贈与税などの対象となる場合があります。課税関係は信託の設計内容や財産状況によって異なるため、事前に税理士等の専門家へ確認しながら進めることが大切です。


よくある質問

Q. 相続人同士で話し合いがまとまらず、トラブルになっている場合はどうすればよいですか?

相続人同士で対立がある場合や、遺産分割交渉・遺留分侵害額請求などの争いが生じている事案については、当事務所で直接交渉や代理業務を行うことはできません。このようなケースでは、弁護士へのご相談が必要となります。

Q. 武蔵野市や吉祥寺の近くで家族信託の相談はできますか?

はい、当事務所(武蔵野市吉祥寺)では、地域にお住まいの皆様からの家族信託や生前対策に関するご相談をお受けしております。将来の安心に向けた具体的な設計をご提案いたします。


まとめ:将来の安心のために適切な信託設計を

家族信託は、財産を管理・運用している間だけでなく、「信託が終わった後に誰へ財産を渡すか」までしっかりと見据えて契約を作成することが重要です。

武蔵野市吉祥寺にある「井関司法書士・行政書士事務所」では、お客様一人ひとりのご希望やご家族の状況に合わせた生前対策・家族信託のサポートを行っております。契約書の内容にご不安のある方や、今後の備えを考え始められた方は、まずは一度お気軽にご相談ください。

※本記事の法令記述は執筆時点(信託法第163条、第182条、第183条等)の一般的な内容に基づいています。実際の判断は個別ケースにより異なりますので、最新の制度内容や詳細は当事務所までご確認ください。

【執筆・確認】井関司法書士・行政書士事務所 代表 井関

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